子どもたちが英語を学ぶ場として「英語塾」と「英会話スクール」は人気の選択肢です。しかし、英語塾と英会話スクールはそれぞれにメリット・デメリットがあるのをご存じでしょうか。
ここでは、英語塾と英会話スクールの違いを解説し、どちらを選ぶべきかの判断材料をご紹介します。
英語塾と英会話教室の違い
子どもに英語を学ばせたいと考えた時に有力な候補として、英語塾と英会話スクールが出てくるでしょう。しかし、その違いがわからないという方は多いかもしれません。
英語塾と英会話スクールでは「施設数」「料金」「サポート体制」「学習カリキュラム」の4点に違いがあります。ここでは、英語塾と英会話スクールの違いについてそれぞれ詳しく紹介します。
施設数
英語塾と英会話スクールとでは、まずその数に違いがあります。総務省統計局の調査によると、全国的にみて英語塾は3万か所以上、英会話スクールは6,000か所ほどで英語塾のほうが圧倒的に多いことがわかります。
教室数が多いということは、必然的に自宅の近さにも直結し、通いやすいといえるでしょう。
料金
英語塾と英会話スクールでは、主に料金制度の違いがあります。受講人数が大人数か少人数かマンツーマンかによって変わりますが、英会話スクールは料金が高い傾向にあります。
英会話スクールでは、ネイティブの講師の多さや、カリキュラムやサービスの質の高さで料金が加算される傾向です。
サポート体制
英語塾では、学校の成績アップや資格試験対策を目的とした指導が充実しており、講師による個別のフォローが手厚いです。受験やテストなどで結果が出なかった場合の保証制度を設けている塾もあります。
一方、英会話教室では、実際に使える英語を身につけるためのコミュニケーション力向上に重点を置いています。レッスン後のサポートはあまり多くないかわりに、返金制度が用意されていることもあるでしょう。
学習カリキュラム
英語塾は、文法や語彙を中心とした学習カリキュラムが組まれており、受験対策や資格取得に強いです。これに対して、英会話教室は、日常会話でのスキルアップを目的とした実践的なカリキュラムが特徴です。
しかし、最近は学校教育でも従来の文法に特化している内容から、話したり聞いたりできることを目指すよう教育方針が変わっています。そのためどちらにもメリットやデメリットがあり、苦手分野や目的で選ぶことが必要になります。
それぞれのメリットやデメリットは次の章で詳しく紹介します。
英語塾のメリット・デメリット
英語塾とは、主に中高生が通う学習塾で、受験や資格取得に特化した内容を扱います。英語塾では、学校の授業に沿ったカリキュラムが多く、文法、読解、リスニングなど試験に直結するスキルを重点的に教えます。
英語塾の特徴
英語塾は、主に学校で学ぶ内容を補うための教育施設です。とくに、受験や資格試験対策に重点を置いており、文法、読解、リスニング、ライティングのスキル向上を目指しています。
授業は学校のカリキュラムに基づき、試験に必要な知識やテクニックを効率よく身につけることが可能です。とくに中高生に人気が高く、学校の成績向上や受験対策を目的とする場合に適しています。
メリット
英語塾の最大のメリットは、試験対策に特化している点です。学校の授業では不足しがちな部分を補強し、具体的な目標に向かって計画的に学習を進めることができます。
また、英検やTOEICといった資格試験に向けた対策も行われているため、点数アップを狙う人にとっては効果的な選択肢です。さらに、少人数制や個別指導が一般的で、生徒一人ひとりに合わせた指導が受けられるのも大きな利点です。
デメリット
一方で、英語塾にはいくつかのデメリットもあります。まず、試験対策が中心であるため、実際に英語を話すスキルやリスニング能力が身につきにくい点が挙げられます。会話の練習機会が少ないため、コミュニケーション能力を向上させたい人には不向きです。
また、塾の授業は通常、受験やテストに焦点を当てているため、実生活で使える英語力を養う場としては限界があるかもしれません。
英会話スクールのメリット・デメリット
英会話スクールは、実用的な英語、とくにスピーキング力やリスニング力を伸ばしたい人向けの教育機関です。まだ英語に触れたことのない小さなお子さんや、英語に苦手意識があり楽しく学びたいというお子さんにも向いています。
英会話スクールの特徴
英会話スクールは、実際に英語を使って話す力を身につけることを目的としています。授業は会話やリスニングに重点を置き、ネイティブ講師と対話しながら自然な英語表現を学ぶことができます。
日常会話、旅行用の英語など実践的な内容が多く、まずは英語を楽しみたいという子どもにもぴったりです。
メリット
英会話スクールの最大のメリットは、実際に使える英語力を養える点です。日常生活でのコミュニケーションスキルを高めたい場合に向いており、ネイティブスピーカーとのやり取りを通じて、自然な発音や表現を学べます。
また、プログラミングやSTEM教育、音楽と組み合わせたカリキュラムなどを行っているスクールもあります。
デメリット
一方で、英会話スクールにはいくつかの欠点もあります。まず、試験対策ができない点です。会話中心の授業のため、テスト対策や受験対策をしたい人には不向きです。
また、文法や読解力といった基礎的なスキルが不足する場合があり、総合的な学力向上には不十分なこともあります。加えて、英会話スクールの費用は高額な場合が多く、長期間続けるとコストがかさむこともあるでしょう。
英語塾と英会話スクールのどちらを選ぶべきか
英語塾と英会話スクールの特徴を紹介しました。どちらを選ぶかは、お子さんの学習目標や希望するスキルに大きく依存します。ここでは、英語塾と英会話スクールの選び方について詳しく紹介します。
目的に応じた選び方
英語塾と英会話スクールは、どちらが優れているというわけではなく、それぞれの目的に応じた選択が重要です。
受験や資格試験を目指す場合は、英語塾での学習が有効です。文法や読解、リスニングといった試験に求められるスキルを集中して学ぶことができ、短期間で成果を出すことが可能になります。
一方、英会話スクールは実際の会話力や発音の良さを鍛えたい場合に適しています。具体的な場面で役立つスキルを学びたい場合、実際に使うことを前提にした授業は非常に効果的です。とくにネイティブ講師とのレッスンでは、リアルな英語環境に近い状態で学ぶことができます。
バランスを考えた学習法
両者の特徴を活かしながらバランス良く学びたい場合、英語塾と英会話スクールを併用する方法もあります。たとえば、試験対策は英語塾で学び、コミュニケーション力を磨くために英会話スクールで学ぶことで、総合的な英語力を効果的に高めることが可能です。
このように、目的に応じて学習方法を組み合わせることが重要です。
まとめ
英語塾と英会話スクールの違い、それぞれの特徴とメリットやデメリット、どちらを選ぶべきかについて紹介してきました。英語塾と英会話スクールの違いを理解することで、子どもに最適な学習方法を選ぶことができます。
試験対策や資格取得・志望校への受験対策を目指すなら英語塾がおすすめです。正しい発音や実践的な会話力を伸ばしたいなら英会話スクールが適しています。最終的に、どちらを選ぶかはお子さんの英語学習の目的に合わせることが大切です。
どちらか一方に絞る必要はなく、両者をバランスよく利用することも一つの方法です。子どもに英語を学ばせるとき、目的をしっかりと見定め、最適な選択をすることが成功への近道となるでしょう。